MIYATA

漢方治療

漢方治療は円形脱毛症(自己免疫脱毛症)を含んだ全てのタイプの脱毛症に併用治療も含めると有用な治療手段と考えます。

漢方は構成される生薬の作用にて、抗炎症、抗酸化、免疫強化、自律神経改善、冷え性改善、虚弱改善、血流改善と多彩な作用を有しています。

北里大学東洋医学研究所の先代所長の花輪壽彦先生の著書「漢方診療のレッスン」では、円形脱毛症は心身症の一環と記されています。

心身症とは原因としてストレスが考えられる、心と体の様々な病気の事です。

当院では、「円形脱毛症(自己免疫性脱毛症)は生活習慣病である」というのが現段階では一番正しい見解だと辿り着きました。

通常治療に反応しない
軽症円形脱毛症に有効

円形脱毛症(自己免疫性脱毛症)の東洋医学としての病態

円形脱毛症(自己免疫性脱毛症)の患者さんの病態のメインは、自律神経失調症(東洋医学で言う気滞/気うつ/血虚)、体力低下/疲れ(東洋医学で言う気虚/血虚)です。

更に女性の場合は、
経血(生理の出血)による定期的な出血があるため、基本的に体力低下と自律神経失調症(血虚)をベースに抱えています。

他のみ腹部の冷え、生来の虚弱体質などが脱毛症につながることがあります。

円形脱毛症(自己免疫性脱毛症)の漢方治療の実際

男女共通に頻用されています

柴胡/竜骨/牡蛎:自律神経調整 黄芩/山梔子:抗炎症
 人参/黄耆/生姜(乾姜)/大棗:体力回復

女性に頻用されています

当帰/地黄/芍薬/川芎:補血剤

漢方治療のメリットと限界

メリット

漢方により治療する事は自律神経の不調の改善と体力回復と冷え性から治していきますので、円形脱毛症が治ると同時に自律神経失調症と体力低下に伴う様々な症状(未病)も改善して、心身元気な状態も同時に手に入る事が見込まれます。

限界

漢方自体も原則生薬による対症療法となりますので、生活習慣の見直し、他の代替医療の導入、より根本的な原因からの問題解決をしない限りは、投薬による現状維持が続きかねないと考える事が出来ます。

漢方治療におけるよくある質問

Q 漢方治療に副作用はありますか?
A 漢方にて治療を行った場合は、深刻な問題になりうる副作用はほぼありません。
ごくまれに肝機能障害、腸間膜静脈閉塞症が見られます。
下痢にする作用のある漢方を使った場合、耐えられない下痢を副作用と判断する方がいますが、それは薬の作用です。
特に女性の患者さんで多いのですが、不慣れな薬を内服すると交感神経が緊張して、漢方を内服した時に嘔気/嘔吐を生じる方がいて、それを副作用という方がいますが、それは単なる自律神経失調症の一環です。
Q 漢方の内服の仕方はどんな感じですか?
A 古典的な内服方法だと食事の前に1日3回内服とされていますが、食後で効果を実感できる場合は食後でOKです。
3回の内服は、必ずしも昼食前後でなくともよくて、起床後や就寝前でもよいです。
また、昼食分を朝食/夕食時に2回内服でもOKです。
Q 費用はどれ位でしょうか?
A クリニックでは受診時に3割負担で600円~2500円程度が見積もられます。
当院の場合は、3割負担で30日分で税込6000円位の費用が薬局で必要になると思います。
Q 漢方治療ではどれ位の通院ペースになりますか?
A 薬効が安定するまでは2週間に1回、薬効が安定すると月1回の通院となります。
Q 子供の漢方での治療は大丈夫ですか?
A 大丈夫です。
Q 妊活中、妊婦、授乳中の漢方の治療は大丈夫ですか?
A お子さんの離乳食が始まった頃等、落ち着いたころからの治療をお勧めします。