MIYATA
院長ブログ
2022.07.26 - Tue
治すヒント
病気の治療の一番良い方法
当院ブログにご訪問
ありがとうございます。
ミヤタ メディカル クリニック
院長の宮田晃史です。
日々の診療でこんな質問を
されることがあります。
「その治療で大丈夫ですか?」
この質問は
とても難しい質問です。
この質問の意味は、
「安心したい」
という意味だと思います。
この質問の本当の意味は
「安心したい」
のだとおもいます。
当方で想像する限り
安心するために必要な話題は、
・出来るかどうか?
・治るかどうか?
・副作用
・費用
が考えられます。
全て大切な話です。
提案されたことが出来る事を
大前提として一番大切な
「治るかどうか?」についての
医療の現実について
お話ししていきます。
治療する側としては、
いい加減なことを
言う訳にはいきません。
ごまかしたくもないです。
では何を伝えることが
出来るのかというと、
実績(データ)となります。
つまり
「研究調査の結果」
「実際の実績」
です。
最近広告でもよく見かけますが、
「科学的根拠に基づいて...」
という話があります。
これは調査もしくは治験を
行ったということで、
・出回る前に人体で実験をして
有効である
または
・出回った後に調査をして有効であった
という事です。
しかし、
有効である=確実な結果
という訳ではありません。
何故なら科学的検証の殆どは、
可能性と優位性で
表現されるからです。
科学的な調査/研究は
以下の流れで行います。
仮定→測定→比較→分析
簡単な話では、
「新しい道を見つけて
そこを通ったら、
会社に着くのが5分早かった。」
みたいな話です。
ですので調査の結果は、
「有効率〇〇%」
「統計上AよりもBの方が優れている」
大体こういう結果で結論が出ます。
なら「有効率 93%」は
どうでしょうか?
有効率93%ということは、
「100人のうち、93人が治る」
ということです。
つまり、
「100人のうち、7人が治らない」
という事にもなります。
ちなみに、
治らない/重症の円形脱毛症の治療で
局所免疫療法(SADBE/DPCP)があります。
SADBEに関しては以下の結果が出ています。
「調査した結果、有効率約40%でした!」
科学的根拠あっても約40%です。
局所免疫療法は、
「5人のうち、3人が治らない」
という事です。
調査をして根拠がある事と
治療成績が良いは、
別件です。
ちなみに重症脱毛症の治療は
他にまともな手段がないので、
仕方がないです。
もし、
「大丈夫」=確実な結果だった場合、
科学的な証拠に根拠を求めると、
基本的には「大丈夫」とは
言えなくなります。
有効率については高い方が
良いに決まっていますが,
医療で100%の結果が
保証できるものはありません。
医療は不確実なものです。
1つの治療方法だけだと、
有効性に必ず個人差があります。
丁寧に治療すると、
患者さん各々に全く違う治療をします。
なれの果てには、
医学的根拠が調査されていない
手探りの治療になることも
少なくありません。
それに対して確実な結果を求めると、
安心を感じる事が難しくなります。
ですので病気の治療は
やってみることが一番大切です。
やらなければ治りようがありません。
特に専門医療機関であるほど、
治療方法が増えていきます。
治るが見込まれる病気でも、
出来ることが少ないと、
上手く行かないことも多いです。
「まずは時間とお金の予算を決めて、
強い気持ちを持って良くない結果を
乗り越える強い気持ちを持つ事」
これが病気を治す一番良い方法です。
当院は患者さんの強い気持ちを
応援しております。
患者さんによって
時間とお金の事情は
それぞれあります。
出来る事、出来ない事
それぞれです。
しかも脱毛症は
生活習慣病ですので、
見直してほしい事が
出来ない方も沢山います。
だから専門医療機関といっても
確実な結果の約束はできません。
確実に約束出来る事は、
「強い気持ちを持っている
患者さんのがんばりを
お手伝いする事」です。
強い気持ちを持って治すという
歩みを止めない事が
一番良い治療方法と考えます。
ご縁のある患者さんの
一生懸命な気持ちと
一生懸命な取り組みを
当院も一生懸命支えます。
お会いできることを
楽しみにしております。