MIYATA
院長ブログ
2022.07.30 - Sat
医療機関ガイド
医療機関の選び方 その4 -自費AGAクリニック-
当ブログ読者の皆様、こんにちは。
これから不定期発信で、ご自身に相応しい医療機関/民間治療院等を選ぶのに必要な情報をお伝えしていきます。
第3弾は、「自費 AGA (毛髪専門)クリニック」です。
解説
自由診療で毛髪疾患の診療を行っています。
元々は自由診療美容外科クリニックが診療の一環として行っていましたが、最近は自費毛髪疾患専門クリニックも多く増えてきました。
クリニックのスタイルも様々です。
・植毛一本の専門クリニック
AGA(男性型脱毛症)が重症になると、植毛手術が必要になる事があります。毛髪移植(植毛)は男性型脱毛症診療で重要な治療手段ですので、昔からあります。手術となりますので、植毛専門のチームがあり、知識と技術を習得するのに時間を要し、そういう意味ではしっかりとした診療を行っています。
・男性AGA専門/女性薄毛専門(飲み薬・塗り薬・再生医療系注射/点滴)クリニック
飲み薬/塗り薬/注射点滴を医療機関に導入することは、非常に簡単な事です。
そこで使われる医薬品の治療のノウハウは非常に浅く(しかし良く効く)、医師であれば経歴経験を深く問わないものです。上述の理由より他業界の企業が参入しやすく、商業的なクリニックが多くなっている現実もあります。
・通院/オンライン診療問わずのほぼ薬局クリニック(飲み薬・塗り薬)
上記のクリニックから更に注射と点滴を除いてより簡便活マニュアル化されたほぼ薬局です。
ひたすらに安さと便利さを追求しています。コンビニでおにぎりを売るような仕事に近いです。
大体上記3つのグループに分かれます。
おそらく世の中では、自費診療=胡散臭い/ぼったくりと考えている方はとても多くいらっしゃると思います。実際医療機関によっても価格は様々で、高額な医療機関も少なくありません。しかし、何が高額なのかは患者さんによって様々で、最終的な契約は2者の合意ですので、高額であることが一律に批判される事はおかしいと思います。
クリニック側の事情としても、診療の消耗品を仕入れていて赤字にする訳にはいかなく、無限に安くするという事もできません。
保険診療のみで円形脱毛症診療を専門として事業を営んでいる医療機関は恐らく存在しないと思います。
理由は、
・公定価格が安い
・差別化ができない
・商業圏が狭い
・円形脱毛症の患者が少ない
・継続通院しなければいけないケースはまれ
・重傷者は大学病院へ転院
円形脱毛症の為にネット検索をすると、自費のクリニックの有料広告がたくさん出てきます。
殆どが自費毛髪クリニックの広告です。円形脱毛症にも自費毛髪クリニックでの治療の広告が出てきます。
国内の保険医の医師は知らない事ですが、海外では5%のミノキシジル(AGAで使用されるリアップ)や再生医療注射(PRP・幹細胞培養上清液など)の効果があり、海外では行われているからです。
上記の治療は保険診療で通常治療が無効であっても改善するケースがあります。
しかし、現段階で当方が確認した限りでは、以下の問題を解決できる医療機関は見たことがありません。
・原因の同定およびそこからの解決
・全身性脱毛症など頭髪以外の病変の解決
・重症な抜け毛の改善
ただ解釈次第では、頭部に限定した病状の改善としては非常に有力であるかもしれません。
まとめると以下の感じになります。
自費毛髪クリニック | 参考当院 | |
---|---|---|
皮膚科保険・投薬治療 | 自費で治療 | ○ |
皮膚科・保険処置 (ステロイド注射/凍結療法) | 自費で治療 | ○ |
皮膚科保険・光線療法 | 自費で治療 | ○(エキシマライト) |
漢方治療 | × | ○ |
内臓疾患検索 | △ (希望者) | ○ (自費外来) |
内臓疾患治療 | × | △ (疾患と程度次第) |
原因検索/原因治療 | × | ○ (自費) |
再発対策 | × | ○ (自費) |
抜け毛治療 | AGAの抜け毛なら○ | ○ (自費) |
・休止期脱毛症/ ・びまん性脱毛症/ ・FPHL ・男女問わずの薄毛 | ○ | ○ |
費用 | 一般には高価 | 希望と病状次第 |
医療機関受診費用
受診料はだいたい無料です。
治療費・検査代は医療機関によってまちまちですが、月3万円以上は見込まれます。
探し方
インターネット検索をすれば必ず何かしらの有料広告が出てきます。
注意 & アドバイス
・治療内容は治療で使うものの名前が違うだけで、だいたいどこに行ってもやることが同じなので、価格と場所と時間と写真の雰囲気で判断してもOKです。
・安い料金で来院させて高額な契約を取るという、「ベッドサイドセールス」が昔からありますが、病状が重いときや患者さんのゴールの水準が高いときに安いものだと噛み合わないことがざらにあります。これをボッタクリ等と批判される事がありますが、この話題は保険診療でも無いわけではないです。どこの業界でもそうですが、コスパは存在しません。また高額かどうかは同じ金額でも人によって全く変わります。安い治療からやりたい場合は、1回勝負で結果が出ないことを前提に取り組むことが重要です。
・返金保証は、診療と治療に価値があるからではありません。お金のリスクを患者さんに感じさせなくして安心させて来院してもらうセールスのテクニックです。カウンセリング料無料や追加治療費用無料も同じ理屈です。