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2022.07.27 - Wed

医療機関ガイド

医療機関の選び方 その2 -保険診療のみ皮膚科以外クリニック-

当ブログ読者の皆様、こんにちは。

ミヤタ メディカル クリニック 院長の宮田晃史です。

これから不定期発信で、ご自身に相応しい医療機関/民間治療院等を選ぶのに必要な情報をお伝えしていきます。

第2弾は、「保険診療皮膚科以外クリニッククリニック」です。

解説

保険診療の開業医の先生が、地域のニーズ(僻地・島・田舎・皮膚科がない等)や院長先生の診療ポリシーから保険診療で診療しているケースです。

主に内科の先生か小児科の先生と思われます。

基本的に日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドラインのままに治療しています。

免疫異常に伴う毛包周囲の炎症反応を投薬治療で改善し発毛させるのがメインです。

地域密着の診療は「広く浅く」でないと事業が成立しませんので、治療手段のための投資は行っていないでしょう。

投薬治療(ステロイド外用、フロジン外用、セファランチン)と凍結療法位までの治療は行われていると思います。

費用は保険診療ですので安価です。

個人的な私見ですが、医療機関の究極的な原点はこういう何でも屋的な診療所です。

多くの専門医の修行をされた先生方が最後にたどり着く行き先は、殆どが地域の一般的な診療です。

日本の医療を支えていらっしゃるのは地域密着診療所で、そこでの一般的な診療となります。

当方のような、マニアックな診療も一般診療あっての話です。

メリット

メリット

1 原則妥当な投薬治療はされている

皮膚科の先生程の知識はないかもしれませんが日々の診療のためのマニュアルみながら治療しますし、

円形脱毛症の治療≒「ステロイド、フロジン、セファランチン」は医師なら誰でも知っている話ですので、

病状を限定すると治る見込みは十分あります。

2安くて近い

ご近所の診療所/クリニックですので、脱毛症診療に対応していれば近くて便利です。

2難治の場合、大きな病院(総合病院/大学病院)を紹介してくれる

地域医療の連携システム上、自身で治せない場合は大きな病院を紹介してくれます。

3軽症の場合は治る(原状復帰)

保険診療の皮膚科診療の場合、抜け毛がなく、脱毛面積が小さく、頭髪のみの脱毛だと、半年位通院すると大体6割前後位の可能性で治ります(脱毛した部分に髪の毛が生えます)。

5アトピー性皮膚炎が合併している場合はそれも診てくれる

そもそも皮膚科の先生ですので、アトピー性皮膚炎の一般的な治療も当然してくれます。

ただ皮膚科の先生程、詳しく治療してくれるかは総論劣る可能性があります。

6誰がやっても(どの先生が治療しても)、腕の良し悪しのバラつきがない (少ない)。

保険診療は原則治療内容と投薬のさじ加減が決まっていますので、誰が治療しても結果の差がほぼ出ません。

デメリット

メリット

1必要最低限の治療となる

地域密着広く浅くの診療所の性格上やむを得ないのですが、必要最低限の治療になりかねないです。

3軽症でない場合の対応はまず不可能

悪化している/抜け毛のある状態(進行期)の脱毛症治療は皮膚科医師ですら出来ないので、尚更できないと思います。

5内臓疾患の検査もおそらくしていない

脱毛症の内臓病変の合併も知らない先生の場合は、話題にすらしてくれないでしょう。

6原因の検査と原因からの治療は基本的には行っていない

皮膚科の先生ですら殆どやっていないので、尚更やっていないでしょう。

7診療が物足りない(説明が足りない/投薬するしかやる事がない)

皮膚科診療は見た瞬間、数秒で薬が決まっています。投薬治療が主体なので見た瞬間に診療は終わっています。ガイドラインや一般的に出回っている教科書には患者さんの知りたい事は投薬治療と関係ないので書いていません。だから、話すことがありません。話を聴いても、「原因を知りたい」のような話に答える事ができません。

整形外科ならレントゲンやCT/MRI、内科だと採血、レントゲン、心電図等の検査がありますが、円形脱毛症の診療はすべて必要ありません。見るだけです。他の診療科だと検査があって診療自体にボリュームがあるのですが(あるから良い訳でもない)、皮膚科は見るだけでほぼ終わります。

物足りなさを指摘されるのもわかる話です。

8話を聴いてくれない

地域の診療所は繁盛すると忙しいです。1日に100人弱診療する事はよくあります。

となると、1人の患者さんに十分時間を取る事は難しくなります。

これを解決するのは難しい問題です。

9投薬量に上限があるため、治らないケースが残る

保険診療は公費の予算で行われているため、投薬量に上限があります。

となると、投薬量に制限がありますので、理論上本来なら効く薬でも効かない薬になっている事があります。

まとめると以下の感じになります。

保険皮膚科クリニック参考当院
 皮膚科保険・投薬治療
皮膚科・保険処置
(ステロイド注射/凍結療法)
△(先生による)
皮膚科保険・光線療法多分×○(エキシマライト)
漢方治療△(先生による)
内臓疾患検索多分×○ (自費外来)
内臓疾患治療×△ (疾患と程度次第)
原因検索/原因治療×○ (自費)
再発対策×○ (自費)
抜け毛治療×△ (自費)
瘢痕性・脱毛症×○~△
AGA/FAGA自費診療やっていれば○○ (植毛以外)
・休止期脱毛症/
・びまん性脱毛症/
・FPHL
・男女問わずの薄毛
×
費用安価希望と病状次第


医療機関受診費用

保険診療は政府が定めた金額(公定価格)で費用請求となり、また自己負担額で調整されると安価に設定されています。

3割負担受診料金(税込)/回 600円~1000円前後(投薬治療のみの場合)

探し方

普段のかかりつけの先生のクリニック/病院に電話して確認するのが良い方法です。

内科か小児科の先生だと対応してくれると思います。

注意 & アドバイス

・保険診療で治療した場合どこにいってもやる事はほぼ同じです。また、円形脱毛症の治療効果判断は3-6ヶ月かかります。円形脱毛症の広がりは半年位でおそらく収まるとガイドラインでは記されていますので、「1回行って治らなかったや広がったから別の病院に行く。」の様な判断はおすすめできません。特に地域のかかりつけの先生は出来る事が少ない状態で目一杯やっています。職場や住まいの近所の先生と長くお付き合いするためにも、その先生の評価を落とすような判断をしないように工夫をお願いします。

・インターネット(グーグル)の口コミを見て受診するでは悪評だらけだからと言って、治療内容がほぼマニュアル化されていますので、治療の質が低い訳でもありません。

・ネット検索で上位に出ている医療機関は有名に見えます。実際は集客に力を入れている結果で、保険診療のみの場合は特別な事をやっている訳ではありません。

・保険診療の円形脱毛症診療は基本的に利益の出ない診療です。検索して有料広告が出ている場合は、大体AGAクリニックの自費注射治療です(この事の良し悪しはここでは除きます)。

・上述の条件で病状が軽い場合は、かかりつけの先生でも十分なおります。自宅の近所の先生を頼ることは全く持ってあって良い話です。

・現段階では日本皮膚科学会の方向性として円形脱毛症の根本的な治療と再発対策は全く話題になっていませんので、保険皮膚科の先生には原因の話は期待してはいけません。元の状態への回復のみを期待すると上手く行きます。

・一部カツラ屋が専門情報サイトを作っていますが、これはある意味まとめサイトみたいなもので、そこに掲載されているからといって保険診療だと特別な治療がある訳でもないです。